先日、Facebookにも少し書かせていただきましたが

素晴らしかった講演の事は自分の為にも

詳しく残しておきたくてブログに綴ります。

 

 

 

2011年のとある日に1冊の著書と巡り合いました。

 

 

その本の題名は・・・

『丁稚のすすめ』~夢を実現できる、伝統の働き方

どういう経緯でこの本の事を知ったのか

まったく覚えていないのですが、、、 (^_^;)ゞ

この本を読んだ時には、今どきのこの日本で

こんな無茶な凄い事が通用するのかなぁ?とか

思いつつも書いてある事は衝撃だらけで

いろんな事に対して疑問が湧き出てきて

いつかこの著者の秋山利輝さんと

お逢いしてみたいと漠然と想っていました。

その2年後に現在僕が塾頭を務めさせていただいている

『鎌倉百年塾』の塾長、高野登氏との出逢いがあり

高野さんや色々な方々を通じ素晴らしい出逢いや

ご縁が続き今回のチャンスが巡ってきたのです。

そのチャンスとは・・・

冒頭にも書いた本の著者の秋山利輝との

出逢いのチャンスです。

このブログの題名にも書いてありますが

凄い人達の奇跡のコラボレーションの講演会に

お誘いを頂いたんです。

その凄い人達とは・・・

大久保寛司氏、高野登氏、そして秋山利輝氏の3名です。

その会を主催しお誘いをくださった方も凄いんです。

経済産業省が行っている『おもてなし経営企業選にも

選ばれている名古屋の安城自動車学校

代表取締役社長である石原慧子さんにお誘いいただきました。

と、、、

前置きが長くなりましたが・・・

あの~、最初に言っておきます。

今回のブログは長いですよ~(笑)

笑ってますが、、、マジです!

それだけ、感動したって事なんです。

だからこそ是非皆さんに共有したいし

読んでもらいたい!

是非、是非、最後までお付き合いください。

まず最初は、待望の秋山さんのお話でした。

秋山さんの生い立ちを色々教えていただきました。

非常に興味深いお話でしたが、ここでは

そのお話は割愛させていただき、その代わりに

秋山さんの会社について

ちょっとご説明いたします。

秋山さんの会社(秋山木工)

宮内庁を始め、一流有名ホテルや

皇族、超有名ブランドショップなどからの

世界に一つの注文家具を作る会社で

今もなお丁稚(でっち)奉公【徒弟制度】を

続けている会社です。

入社して最初の4年間は丁稚。

丁稚を卒業して初めて職人になれます。

職人でさらに4年務めると全く例外なく

秋山木工を巣立っていきます。

つまり丁稚/職人で計8年務めると

秋山木工を離れ、独立や海外で

腕をふるう事になるのです。

秋山さんの考える職人とは

「できる職人」ではなく「できた職人」

つまり、「デキる人が一流になるのではなく、

デキた人が一流になるのだ」と…

デキた人というのは、人間力、人間性を高め

人間的に一流の人という事です。

技術じゃないんです。

人として一流になると

その人は自ずと職人としても

一流になってしまう、とおっしゃいます。

それにしても丁稚の道は

厳しいものでした。

早朝5時から夜の10時までの仕事は

毎日続きます。

一言で5:00〜22:00と言いますが…

起床4時半

早朝5時から朝食作り
その後兄弟子たちと朝食

6時から2キロのマラソン
雨でも雪でも決行

7時からご近所様の掃除
主に公道の掃き掃除

8時から丁稚奉公
主に作業場の掃除や兄弟子たちのお手伝い

22時に仕事終了後
自主的に技術修行を23〜25時位まで

その後就寝

つまり毎日の睡眠時間は

2〜3時間っていう事です。

その上、お休みは年/10日

盆暮れ正月だけのお休みです。

そして、丁稚時代は携帯禁止

親や友達など外界との連絡は

全ては手紙のやり取りのみ。

もちろん恋愛も禁止です。

最初に10日間の使用期間を終え

正式に入社を許される時には

坊主になってよし!と

坊主になる許可が出ます。

最初の一年は男女関係なく丸坊主だそうです。

そして、全寮制で数人ずつの共同生活。

これだけ聞いても有り得ないような

超ブラックな会社ですよね。(笑)

でも、その秋山木工には毎年就職希望者が

後を絶たず順番待ちのような状態だそうです。

そんな過酷な超ブラック(笑)なのに

なぜか親御さんからは秋山木工に

感謝の手紙が届きます。

「子供たちをなんでそこまで働かせるだ!」と

文句をいう親御さんはいません。

むしろたった半年で生まれ変わったように

人として成長し変化した自分の子供の姿を

見て涙を流して喜んでいます。

つらくて辞めたいという社員が家に帰っても

親たちが会社に引き戻すのです。

そんな事って考えられますか?

でも秋山さんの話を聞いて非常に納得でした。

その話も後ほどおいおいといたします。

秋山さんは講演日当日に丁稚一年生の

お弟子さんを男女1人ずつの

2人を連れてきていました。

社長である秋山さんに選ばれし2人です。

その2人の自己紹介を聞き、鳥肌が立ちました。

先制パンチを食らいました。(笑)

19歳の男の子/和武(なごむ)くんと
21〜2歳の女の子/久美子さん

その2人の自己紹介は完璧でした。

image

今どきの…と言われるような若い子達が

僕も彼らの後には恥ずかしくて

自己紹介できなくなってしまうような

完璧な自己紹介でした。

人材育成の凄さを最初から見せ付けられた

ような気がしました。

のちに秋山さんのお話の中でも自己紹介について

触れていましたので、ご紹介します。

自己紹介の目安は1分

最初の出だしは…

「それでは自己紹介させていただきます!」

から始まります。

そして1分を20秒ずつ3つに分け、最初の20秒は

パーソナルな情報、つまり名前や出身地など

そのあとの20秒はどうして家具職人になったのか

なりたかったのかを話し、最後の20秒で

目標などを含む自分の将来像を語ります。

非常にわかりやすく、余計な無駄がなく

その人の事が印象に残るような自己紹介でした。

でも、そんなしっかりした子達でしたが

その日の懇親会でそのお弟子さんの1人の

和武(なごむ)くん、19歳に聞いたのですが

こういう講演会に連れてきてもらえると

普段食べられない美味しいご馳走が頂けるので

感謝です!

と可愛らしい本音を聞いてホッとしました。(笑)

その他、秋山氏の色々な話があった中で

お弟子さん2人の出番も結構ありました。

その中の一つ、和武くんが秋元さんの指示で、

みんなの前で何も見る事なく黙々と暗唱していた

『職人の心得30カ条』をご紹介します。

 

◇ 職人心得30カ条 ◇

1.あいさつの出来た人から現場に行かせてもらえます。
あいさつはコミュニケーションの第一歩です。
また、人との信頼関係を築く上で大切です。

 

2.連絡/報告/相談の出来た人から現場に行かせてもらえます。
常に連絡・報告することで指示を
出した方に安心していただき何か
あった時にすぐに対処を取ることができます。

 

3.明るい人から現場に行かせてもらえます。
明るい職人さんの周りにはお客様が集まり
お仕事がいただけます。

 

4.周りをイライラさせない人から現場に行かせてもらえます。
お仕事は、チームプレイです。
集団行動の中で人をイライラさせないために
周りに合わせ協調性のある行動を取ることが
大切です。

 

5.人の言う事を正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます。
指示された内容を正確に理解し
素直に行動に移すことが大切です。

 

6.愛想よく出来る人から現場に行かせてもらえます。
いつも愛想よくしていると、周りの方々に気持ち良く
お仕事をしていただけます。

 

7.責任を持てる人から現場に行かせてもらえます。
仕事に失敗は許されません。常に緊張感を持ち
最後までやり抜くことが大切です。

 

8.返事をきっちり出来る人から現場に行かせてもらえます。
分かっているのか、いないのか
意思表示をすることで仕事のミスを
なくします。

 

9.思いやりがある人から現場に行かせてもらえます。
常に相手のことを自分のように考え
行動することが大切です。

 

10.おせっかいな人から現場に行かせてもらえます。
人の幸せだけを願い行動することが
大切です。

 

11.しつこい人から現場に行かせてもらえます。
人間の限界を決めず技術も人間性も
とことん追求していくことが大切です。

 

12.時間を気に出来る人から現場に行かせてもらえます。
時間はお金よりも大切なものだと言われます。
もたもたしている人は一流の職人にはなれません。
また、時間を守ることは人から信頼していただけます。

 

13.道具の整備がいつもされてる人から現場に行かせてもらえます。
道具を整備していることで、すぐに仕事に
とりかかることができます。
また、道具は実家からの仕送りで
買わせていただいています。
整備をすることで感謝の気持ちを表します。

 

14.おそうじ、かたづけの上手な人から現場に行かせてもらえます。
おそうじ、かたづけは仕事の最後の
仕上げであり 次の仕事への段取りに
なるので大切です。

 

15.今の自分の立場が明確な人から現場に行かせてもらえます。
今の自分の立場をわきまえることで
常に謙虚でいられます。

 

16.前向きに事を考えられる人から現場に行かせてもらえます。
後ろ向きに考えても前に進めません。
これからどうなりたいのか
また、そのためにはどうすべきかを
考え成長し続ける事が大切です。

 

17.感謝の出来る人から現場に行かせてもらえます。
人は一人では生きていけません。
常に周りの人に支えていただいて
いることに感謝しその感謝を行動に
移すことが大切です。

 

18.身だしなみの出来てる人から現場に行かせてもらえます。
身だしなみは社会人としての最低限の
マナーであり また、気持ちよく安全に
作業するために大切です。

 

19.お手伝いの出来る人から現場に行かせてもらえます。
周りをよく見て人が何をして欲しいのか
察知して動けることが大切です。

 

20.自己紹介が出来る人から現場に行かせてもらえます。
自己を見つめ直し自分を相手に
知っていただくことが大切です。

 

21.自慢の出来る人から現場に行かせてもらえます。
お客様のためにどのようなものを
どんな工夫をして作ったのか
説明できることが大切です。

 

22.意見が言える人から現場に行かせてもらえます。
意見を出し合うことで素早く
良い物を作ることができます。

 

23.お手紙をこまめに出せる人から現場に行かせてもらえます。
親には近況報告をしお礼状をこまめに
書くことで感謝の気持ちを伝えることができます。

 

24.トイレそうじが出来る人から現場に行かせてもらえます。
一番よく汚れる場所を磨くことで
自分の心も磨かれます。

 

25.道具を上手に使える人から現場に行かせてもらえます。
道具を自分の手足のように使えることで
お客様に感動していただける物を
作ることができます。

 

26.電話を上手にかける事が出来る人から現場に行かせてもらえます。
相手の顔が見えない分、
簡潔に分かりやすく伝えることが
大切です。

 

27.食べるのが早い人から現場に行かせてもらえます。
食べることにも段取りが必要です。
何事も集中して美味しくいただく
癖を付けることで仕事のスピードが上がります。

 

28.お金を大事に使える人から現場に行かせてもらえます。
丁稚見習い達は今、秋山学校からの
奨学金と実家からの仕送りで生活しております。
お金の生まれる過程を正確に理解し
感謝して使うことが大切です。

 

29.そろばんの出来る人から現場に行かせてもらえます。
頭の回転や計算を早くすることで
仕事の効率が上がります。

 

30.レポートがわかりやすい人から現場に行かせてもらえます。
その日学んだことを頭の中で製整理し
分かりやすく書こうとすることで
もう一度身に付き日々自分を高めることができます。

 

以上、

 

 

この文の全てを暗記してスラスラと

暗唱できますか? σ(^_^;)

そう簡単にはできないですよね。

暗記するだけでも、かなり本気で

取り組まなければできないでしょう。

 

もちろん暗唱だけではなく

お弟子さんたちは本気で

全ての事を実践しているのでしょう。

 

書いてある内容はもの凄い事が

書いてあるわけではありません。

 

確かに人として当然の事ばかりです。

 

でも、その一つひとつをしっかりと

実践できている人はどの位いるのでしょう?

 

僕もこの歳になって色々な事を

学ばせていただき少しずつ成長してきた

つもりですが、まだまだ先は長く

 

学びを行動に移す事を改めて

心に誓いました。

 

 

 

人は基本的には人から言われて

変わる事はないのです。

 

 

 

ではなぜ、秋山木工のお弟子さん達は

一年足らずの間にそんなに変わったのでしょう?

 

秋山さんから言われて(指導されて)

なぜそんなに変われるのでしょう?

 

 

 

それは秋山さんが全身全霊を込めて

人材育成に取り組んでいて

お弟子さん達を心の底から

愛しているからだと思いました。

 

僕ももちろんレ・シューのクルー達の

事をいつも想っているつもりでした。

 

でも秋山さんの想いに比べたら…

アリと象・・・

 

もっとしっかりしなきゃ…

もっと僕自身が成長しなきゃ…

 

 

 

秋山さんは丁稚選考の時には

ご両親にも会いに行かれるそうです。

 

普通に考えるとご両親に挨拶に行く…と

思いますよね。

 

 

でもそうではなく秋山さんが

両親を試しに行くらしいです。(笑)

 

 

ご両親のところにお邪魔する際には

あえてお昼前に行くそうで

先方にはお昼(食事)を用意しておいてくださいと

お願いをしておくそうです。

 

 

当日、秋山さんが丁稚候補の子の家に

行ってお昼にどんな食事が出てくるのかを

チェックしているそうなんです。

 

 

食事の内容はどうでも良いが

手作りの心のこもった食事で、

もてなしてくださるのか…

 

 

 

もし間違って出前で用意した食事でも

出てきた時には…

丁稚候補は脱落ということです。

 

 

秋山さんは言います。

 

親を見ればその子がわかる…と

確かにそうかもしれません。

いや、そうだと思います。

 

入社予定の子の親御さんの心配り

気遣いなどを感じ取る事によって

入社予定の子がどれだけ配慮や

心配りができるかどうか…

 

 

 

でもその徹底ぶりの本気度に驚きと

感動を覚えました。

 

 

これだけ書いたのに

まだまだお伝えしたい事が

あります。

 

 

この続きは、近日中に

書こうと思いますので

今しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

今回のブログの最後に…

 

 

秋山さんからあなた達は『職人の心得30カ条』の

何個位できてますか?

当たり前の事ばかりですけどと

質問されました。

 

 

貴方はどの位できていますか?

 

 

こういう事は会社を良くしていく為に

そして人材育成の為に必要な事だと思いますが

こうとも言えると思います。

 

 

大人は誰しもが子供達の先生です。

 

子供は周りの大人を見て育ちます。

 

もちろん自分の子供達のためにも

 

そして、地域の子供達のためにも

 

日本の将来のために

 

大人達が成長しなければいけない事を

痛感しました。