Bonjour,
こんにちは、ネット担当のUMEです。

そろそろ秋の気配を感じられる日も多くなりましたが、お元気でお過ごしの事と思います。
日本は9月に入っても残暑の日もあり、まだまだ冷たい飲み物やさっぱりとした麺やサラダなどの食べ物を選んでしまいます。
そして今回選びましたテーマは、ニース風サラダ。
地中海沿岸のニースのご当地メニューですが、世界中で親しまれているサラダの一つです。
アンチョビ、マグロ、ゆで卵、ジャガイモ、さやいんげんなどいろいろな食材をふんだんに使用しましたボリュームのある一皿ですが、先日何気なく調べてみましたら、とてもこだわりのあるサラダだった事にびっくり。
という事で、皆様に今回はそのこだわりとプチヒストリーをご紹介させて頂きます。

 

ニースのサラダ

Petite histoire de la salade niçoise 
プチヒストリー

地中海、コートダジュールに位置する世界的有名な保養地でもあり観光地でもあるニース。
その地名がついたサラダ、ニースのサラダ。元々はトマト、アンチョビ、オリーブオイルのみのサラダで、地元で暮らす漁民達の質素な食事の一つだったそうです。
19世紀ごろからの農産業の発展と共に、ニースで採れる生野菜、わけぎ、ピーマン、そら豆が加わり、少しづつサラダに入れる食材が増えていく一方で、マグロがかつては高級食材の時代には、サラダに加わる事はなく、また火を通した野菜は入れずに生野菜のみのサラダで、ゆで卵もまだ仲間入りしてなかったという事です。

今では茹でたジャガイモ、さやいんげんが入っているのが当たり前になったニース風サラダですが、一説によりますとフランスの著名な料理人、オーギュスト・エスコフィエ(1846-1935ニースの近くのヴィルヌーブ・ルベ生まれ)が、この火を通した二つの野菜をサラダに加えたという話が伝えられてます。
しかし、下記で紹介してます協会では、本格的なニース風サラダには、この2つの食材を入れる事を許可しないという事で、ちょっと驚きです。

そして時代と共に、ニースの黒オリーブ、加工されたマグロ、季節によっては、アーティーチョークなども加えられ、生野菜、ゆで卵、地中海の産物が入ったニース風サラダは、今日レストランだけでなく、お家ごはんとしても親しまれている1品になってます。

 

        ニースのサラダに加える食材と加える事を許されている食材

 

Une authentique salade niçoise
本格的なニース風サラダとは

こだわりと伝統を重視するフランス人、そして地方の文化を守るその土地の人々によって、ニースでもご当地の伝統料理を守り、伝える会、”la Capelina d’or”(カペリナドール)が存在してます。その協会によって、ニース風サラダに加える食材、加える事が許可されてる食材、そして許可しない食材などの定義が決められてるという事です。

ちょっと堅苦しいことかもしれなませんが、伝統を尊重し、また地方の産物やしきたりを守っていく姿勢、フランス人のそんなこだわりの精神の一面は、私のフランスの好きな部分でもあります。

ちょっと長くなりますが、最後に本格的(?)ニース風サラダのレシピを簡単に紹介させて頂きます。

Recette de Salade niçoise
作り方

野菜を洗い、固ゆで卵を用意します。
そら豆(févettes)はさやから取り出し皮をむき、オリーブオイル、塩、こしょうを入れた容器に入れます。
あらかじめにんにくを内側にこすったサラダボウルに、ミックスサラダ(mesclun)を飾ります。
トマトを4等分に切り、ミックスサラダ(mesclun)の上に並べます。
きゅうりをスライスして塩をふるい、ラディッシュを食べやすい大きさにカットし、セロリ、アーティチョーク、ピーマン、わけぎ(cébettes)を細切りにします。
これらの野菜をトマトの上にきれいに飾ります。
4等分に切った固ゆで卵、アンチョビのフィレ、マグロ、そら豆(févettes)、ニースの黒オリーブで仕上げます。
食卓にサーブする前に小さなバジルの葉を上にふりかけます。
ドレッシングはオリーブオイル、塩、コショウだけで、野菜のうまみを味わってほしいという理由からドレッシングにビネガーを入れない説もあります。ただ、酸味も欲しいという時には、ビネガーをスプーン1匙入れる事も可能だとか。
さぁ食卓に! A table!
(☆févettes(そら豆)、cébettes(わけぎ)、mesclun(ミックスサラダ)のフランス語の野菜は、近い日本語で明記しております。)

軽い気持ちで調べましたニースのサラダ。
こんなこだわりがあったなんて、私自身もいろいろ勉強になりました。

長いブログになりましたが、最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

では、また次回。
Bon appetit !
A bientôt !
UME