Bonjour à tous,
皆さまこんにちは、ネット担当をしておりますUMEです。

11月に入りレ・シューでは、長野県、六識園から届いた香りと酸味豊かな真っ赤な紅玉りんごを使用しました『大地の恵みのアップルパイ』をご用意しております。
毎年楽しみにしていただいておりますお客様、お待たせ致しました。
まだ召し上がったことのないお客様、よろしかったらこの機会にどうぞお試し下さい。

今回はフランスのりんごと、りんごを使用しました代表的なデザート『タルト・タタン』をテーマに綴らせて頂きます。

では、始めましょう!
Allons-y!

りんごはあちこちの国で手軽に食べられる果物ですが、フランスでは最も古くからある6種類の果物、杏、さくらんぼ、桃、プラム、梨、りんごのうち、昔から一番多く作られてきた果物がりんごだそうです。
歴史を辿ると、中国からシルクロードを経てヨーロッパの地に運ばれて来ましたりんご。
フランスでは、ロワール渓谷のお城の庭でりんごの栽培が始まり、16世紀にはフランスの偉大なる農学者Olivier de Serresの功績で既に100種類のりんごの品種が誕生していたそうです。
今日ではロワール渓谷の他に、フランス南部のミディ・ピレネー地方、南東部のプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方圏、小さなりんご園も含めればフランスの彼方此方でりんごが栽培されています。
フランスで一番食べられている果物は、バナナ、オレンジを抜いてりんごが一位。
その中でも黄色いりんごのゴールデンデリシャスが一番多く生産されており、フランスで最も食べられているりんごだそうです。
フランスで栽培されているりんごは、日本のりんごより少しサイズが小さめ。日本のりんご種のフジも『FUJI』という表記でちょっと小ぶりになって、しっかりフランスの地に溶け込んでおります。
マルシェでは、りんごだけを売っているスタンドがあり、私がかつて住んでいたパリ11区のマルシェでも数種類のりんごが種類ごとにケースに入って、これは甘くて酸味が少しある、これはジューシーでシャリシャリの歯ごたえなどと手書きの説明を読みながら、その日の気分で好みのりんごを買っておりました。

 

 

手軽に食べられて香り豊かで酸味と甘みを持ったりんごは、フランスでは様々な食事の場面で登場します。
例えば、食事前に、軽くアルコールを飲みながら、りんごのスライスとチーズとナッツでちょっとしたおつまみに。
アボカド、エンダイブ、キャロットラペなどの生野菜と一緒にサラダとしても。
バターでソテーした香り豊かなりんごは、ソーセージやアンドゥイエットと一緒に手軽な一皿に。
そして豚肉や鶏肉のキャラメリゼしたお肉のソテーに甘酸っぱいりんごのコンポート添えは、メインディッシュになり、りんごはお肉とも相性も良く、私も好きな一皿です。
そしてパン屋さんでは、Chausson aux pommes (ショーソン・オ・ポム)というりんごのパイがあり、ほとんどのフランスのパン屋さんで売っている定番の菓子パンです。
半円形のサクサクパイの中にトロッと煮込んだりんごが包まれていて、とても美味しいです。
そしてりんごを使った代表的なフランスのデザートに、Tarte Tatin(タルト・タタン)があります。

 

 

La Tarte Tatin
甘くて香ばしいお砂糖のキャラメリゼと甘酸っぱいりんごとの相性抜群のタルト・タタン。
実はこのタルト、偶然から生まれたりんごのタルトなのです。そして今ではフランスを代表するデザートになってます。

ことの始まりは19世紀の終わり頃、パリから200㎞離れたロワール地方のLamotte-Beuvron(ラモット・ブヴロン)の二人の姉妹が営むホテル・タタンでの出来事。
妹のステファニーが料理を担当しており、ある日曜日にりんごのタルトを作りながら、お客さんとの話に夢中になってしまいました。りんごとお砂糖だけを型に入れて火にかけ、香ばしい良い香りがして来た時に、パイ生地を敷くのを忘れていた事に気が付いたとの事。慌ててりんごの上にパイ生地をのせて再びパイ生地と一緒に焼いた後に、ひっくり返してお客さんに出したところ、香ばしくキャラメリゼされた甘酸っぱいりんごのタルトが大いに評判になったそうです。そしてこの姉妹の名前がつけられタルト・タタンとなったそうです。

このタルトの逸話はまだあり、
パリにある有名レストラン『マキシム』のオーナーがこの地方を訪れた時にこのタルトの美味しさにすっかり魅了され、このレシピを手に入れるために、ホテル・タタンに庭師を送り込んだそうです。そしてパリで最初にこのデザートをメニューに載せたのがこのマキシムだったという話が残ってます。

最後にもう一つ。
印象派の画家、クロード・モネもこの有名なタタン姉妹のタルトが好物で、家族を連れてジベルニーからホテル・タタンまでタルトを食べにちょくちょく出かけて行ってたそうです。

19世紀の終わりに偶然から生まれたこのりんごのタルト。今日では、りんごを秘密のレシピのシロップで調理をしたり、シェフオリジナルのりんごの飾り方にこだわってみたり、りんごにバニラ風味をそえてみたりと様々なアレンジがされ有名シェフ独特のタルト・タタンも存在しております。

 

りんごとタルト・タタン、長いブログになってしまいましたが、
今回も最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました。

では、また次回に。

Merci beacoup et à la prochaine !
UME